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海外から持ち込んだものが原因で足止め! 逮捕されたらどうなるの?

2020年05月18日
  • 財産事件
  • 密輸
  • 逮捕
海外から持ち込んだものが原因で足止め! 逮捕されたらどうなるの?

令和元年6月、千葉県警は、絶滅の危険がある希少な動物を密輸しようとした男性を、関税法違反容疑で逮捕したという報道がありました。事例ではスーツケースに動物を隠して運搬するなど、悪質な密輸事件といえますが、一般の観光客が、知らずに海外からの無断の持ち込みを禁止されている製品や動植物を持ち込み、逮捕される可能性もあります。

そこで、本コラムでは海外の旅先で購入したものが原因で、空港で止められてしまった場合に問われる可能性がある罪や対処法について解説します。

1、輸入してはいけないもの

海外から国内に持ち込むことを禁じられているものは、製品や動植物をはじめ、多岐にわたります。まずは、輸入が禁じられているものを確認してみましょう。
さらに、実際に摘発された事例も説明します。

  1. (1)輸入が禁じられているもの一覧

    以下に該当するものは輸入が禁じられています。
    持ち込んだ時点で逮捕される可能性があるでしょう。

    • 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具
    • 指定薬物
    • 拳銃、小銃、機関銃など
    • 爆発物
    • 火薬類
    • 化学兵器の禁止および特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
    • 貨幣、紙幣、銀行券、院試、郵便切手、または有価証券の偽造品、変造品、模造品、および偽造カード
    • 風俗を害すべき書籍や彫刻物等
    • 児童ポルノ
    • 特許権や商標権、著作権や実用新案権等を侵害する物品
    • 無申告や、検査証明書がない、もしくは輸入禁止停止の国の肉製品
    • ワシントン条約で持ち込みが規制されているもの
  2. (2)薬物類

    まず、薬物類については、違法ではないと称して販売されているハーブやアロマオイル、バスソルトなどの商品の中には、「麻薬」や「指定薬物」にあたり、輸入が禁止されているものがあります。
    製造元が確かではないアロマオイルなどには注意が必要です。

  3. (3)偽札・通貨紙幣・偽ブランド品・模倣品等

    偽札等の持ち込みが禁じられていることはわかりやすいのですが、現地のコインや日本の通貨紙幣などを、アレンジしたお土産品等も輸入が禁止されています。
    さらには、偽ブランド品や模倣品、違法コピーなどの持ち込みも禁じられています。

  4. (4)食品

    食品については意外に思うかもしれませんが、現在日本では、肉製品など、お土産の持ち込みへの対応を厳格化しています。

    肉類の持ち込みは、すべて申告しなければならず、検査証明書を添付しなければなりません。その上で検閲を受けなければならないと規定されています。
    生肉だけでなく、ハムやベーコン、肉まんなど加工食品も対象となります。

    知らずにスーツケースに入れたまま税関を通過しようとすると、足止めされる可能性があります。

  5. (5)動植物類

    ワシントン条約では動植物の保護を目的に、さまざまな動植物の国際取引を禁じています。日本への持ち込みが禁止されているのはチンパンジーやテナガザル、アジアアロワナ、など非常に多岐にわたっています。
    生きている動物だけでなくトラやヒョウ、ジャガー、チーターなどの毛皮や敷物も持ち込み禁止です。
    またインド象やアフリカゾウの象牙、アメリカワニのバッグなども持ち込み禁止です。
    動物を持ち込まなくて、革製品や毛皮などを持ち込み摘発される可能性もあるので、注意が必要です。

  6. (6)金

    金の持ち込み自体は禁じられていませんが、無申告で持ち込む行為は禁止されています。

2、税関で実際に摘発された事例

次に、実際に税関で摘発されたものをご紹介します。
詳細については、税関のホームページで公表されています。

  1. (1)覚せい剤や大麻など

    覚せい剤や大麻などの禁止薬物の密輸は多く摘発されており、捜査ののち告発されています。見知らぬ人に「運び込んでほしい」と頼まれたものの中身が持ち込みを禁止されている薬物だったというケースも、逮捕される可能性があるでしょう。

    見知らぬ人に内緒で持ち込むことを依頼された事実などがあれば、一般的な方であれば怪しいものの持ち込みを依頼されていると警戒するものです。
    そのため、「薬物であると知らなかった」という言い訳は通用しないケースがほとんどです。

  2. (2)ワシントン条約で規制されるヘビ等の密輸

    平成31年1月、インドネシアから帰国した日本人が、ワシントン条約で取引が規制されているヘビを鍋の中に隠して持ち込もうとして、摘発されました。

  3. (3)偽造カードの持ち込み

    平成30年、マレーシアから偽造カードを日本に持ち込もうとした男性が告発されました。
    平成31年には、同じくマレーシアから偽造クレジットカードを密輸しようとした男性が告発されています。スーツケース内に隠していたとのことです。

  4. (4)高級ブランドバッグの密輸

    平成31年2月、中国から商標権を侵害している偽ブランド品を輸入しようとしたとして、日本人男性が告発されました。

3、密輸で問われる罪とは?

密輸で問われる罪は、持ち込んだ製品や動植物によって異なります。

  1. (1)関税法違反

    代表的な法律は関税法です。大麻や覚せい剤、偽ブランド品やカードの偽造品、貨幣の偽造品などを持ち込んだ場合に問われるのは関税法違反です。
    関税法によって輸入が禁じられている製品等を輸入した場合は、輸入したものによって

    「10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金または併科」
    または
    「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこれを併科する」


    と規定されています。
    また、輸入が禁じられているものの、輸入するためには許可が必要な製品を無許可で持ち込んだ場合

    「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはこれを併科する」


    と定められています。

  2. (2)家畜伝染病予防法違反

    輸入が禁止されている肉類を持ち込んだ場合や輸入検査を受けずに持ち込んだ場合は、家畜伝染病予防法違反となり、

    「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」


    に処される可能性があります。

  3. (3)消費税法、地方税法違反

    金を無申告で密輸した場合は、関税法だけでなく消費税法、地方税法違反に問われる可能性があります。

    消費税法と地方税違反の場合
    「懲役10年以下および罰金1000万円以下」

    関税法違反の場合
    「懲役5年以下および罰金5000万円以下」

4、密輸容疑で逮捕されたあとの流れ

輸入が禁止されている製品や動植物を持ち込んで逮捕された場合の流れを簡単に説明します。

まず、逮捕されると逮捕後72時間は留置場に身柄が拘束されて、弁護士以外は家族であっても接見できません。孤独な空間で、捜査官による取り調べを受けます。

逮捕後48時間以内に、検察官に事件が引き継がれます。検察への送致後、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断されると、勾留されてさらに最大20日間の身柄拘束が続きます。

その後、所定の捜査ののち、起訴不起訴の判断がなされ、起訴されると刑事裁判が開かれます。不起訴になった場合は、前科はつかず釈放されます。

刑事裁判が開かれると、日本では高い確率で有罪になり、前科がついてしまいます。

ただし、起訴されたら必ず刑務所に入れられるわけではありません。
罪状によっては罰金刑となり、すぐに釈放されることもありますし、執行猶予付き判決が下されれば、服役は免れます。

5、密輸の疑いをかけられたら、まずは弁護士に相談を

密輸の疑いをかけられた場合、まずすべきことは弁護士への相談です。
弁護士に相談して、状況を話した上で、身柄の拘束を回避すべく弁護活動をはじめてもらう必要があります。

先ほどお話ししたように、逮捕されて勾留が決定すると最大23日間身柄が拘束され続けます。その後、起訴が決定すれば保釈されなければ刑事裁判が終わるまで、自宅に帰ることはできません。

しかし、弁護士に依頼することで逮捕後の勾留による身柄拘束を回避できる可能性があります。身柄が拘束される条件は、「逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがある場合」なので、それらの恐れがないことを客観的に主張できれば、勾留が回避できる可能性があるでしょう。

また、密輸の疑い自体が間違いの場合、他人に薬物等を荷物に混入されたなどのケースでは身の潔白を立証するために一刻も早い対応が必要になります。

どちらのケースでも、逮捕後なるべく早い段階で弁護士へ依頼したほうがよいでしょう。
まだ逮捕されていない場合は、密輸をしたことが事実であっても弁護士に依頼したことで逮捕をさけ「在宅事件」として、身柄を拘束されずに取り調べを受けられることもあります。

身柄の拘束を回避し、逮捕の影響を最小限に抑えるためには逮捕前、遅くても逮捕されてから3日以内に弁護士に依頼することが重要です。
ご自身やご家族が、密輸の疑いをかけられているときは、まずは弁護士に相談して、速やかに弁護活動を開始してもらいましょう。

6、まとめ

海外から日本への持ち込みを禁止されている動植物や食品、製品は多岐にわたっており、禁止されていることを知らずに持ち込んでしまうこともあります。
税関職員に指摘されて、持ち込みを諦めるだけで逮捕されなければいいのですが、万が一逮捕されてしまうと長期間身柄が拘束されて、社会生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

それを回避するためには、逮捕前、遅くとも逮捕されてから3日以内に弁護士に弁護を依頼しましょう。

ベリーベスト法律事務所 千葉オフィスでは、密輸関連の相談やご依頼を受け付けています。ご本人からはもちろん、ご家族が逮捕されたという連絡を受け、現在困っていらっしゃるときは早急にご連絡ください。
早ければ早いほど、長期にわたる身柄拘束を受けるリスクや、過剰に重い罪が問われることを回避することができるでしょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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