過払い金について相談したい!返還請求の注意点や基礎知識を弁護士が解説

2020年01月15日
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過払い金について相談したい!返還請求の注意点や基礎知識を弁護士が解説

東京都心で働く人々には人気のベッドタウンである千葉ですが、利便性を求めるとやはり地価や生活費は高くなります。その一方で賃金は上がらず、生活に困って短期間だけと思ってお金を借りてしまい、それが大きな借金になって苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。

「過払い金を取り戻せます」というコマーシャルがテレビで繰り返し流れているのを見たことがありませんか? 過払い金とは、払い過ぎた利息分のことをいいます。実は、真面目に借金を返そうとしている方ほど、この過払い金が多いのです。
そこで、借金で苦しんでいるという方は、まず、この過払い金を取り戻すことを考えてみてください。もしかすると、まとまった金額が手元に返ってくるかもしれません。過払い金返還請求の具体的な手続きや、イメージなどもわからないために行動に移せない方もたくさんいらっしゃるはずです。

ここでは過払い金に関する基礎知識から、過払い金が戻ってくる条件、弁護士に依頼したときにかかる弁護士費用などについて、千葉オフィスの弁護士が解説します。

1、過払い金とは?

過払い金は、キャッシングやカードローンなどで借り入れをした方が払い過ぎた利息のことをいいます。

  1. (1)過払い金が発生する仕組み

    利息制限法により、貸金業者が設定する利率は制限されていますが、実は法律が改正されるまで「グレーゾーン金利」という、利息制限法に定める上限金利は超えるものの出資法に定める上限金利には満たない金利を取っていました。
    このグレーゾーンの部分が「過払い金」で、本来なら支払わなくてもいいはずの利息分なのです。

    平成22年に貸金業法が改正され、グレーゾーン金利は廃止となり、今では過払い金が発生することはなくなっています。しかし、過去にすでに支払ってしまった利息がある場合は、返還請求をすれば手元に戻ってくる可能性があるのです。

    そこで、払い過ぎた利息を取り戻す手続きが各地で行われるようになりました。
    これを、過払い金請求といいます。

  2. (2)過払い金の計算の仕方

    過払い金がどれくらいあるのかを知りたいとき「引き直し計算」を利用して計算します。

    引き直し計算は、利息制限法を遵守していた場合に発生する正しい利息を計算して、払い過ぎていた高い金利の利息分から差し引くことで過払い金を算出します。
    あなたがどれぐらい過払い金を受け取れる可能性があるのかについては、弁護士に相談することをおすすめします。

2、過払い金を取り戻せる可能性があるケース

過払い金を取り戻せる可能性が高い方は、次の2つに該当する方です。

  1. (1)平成22年6月17日以前に借り入れを開始した方

    改正貸金業法が完全施行されたのは平成22年6月18日で、これより前に取引のあった方が対象となります。これ以降の取引についてはグレーゾーン金利が設定されていないので、過払い金は発生していません。

  2. (2)完済してから10年以内の方

    貸金業者への返済がすでに終了していても、最後の取引から10年以内なら過払い金を取り戻せる可能性があります。
    逆にいえば、完済から10年が経過しているのであれば、時効によって過払い金の請求は行うことはできません。注意しましょう。

3、過払い金請求をする前に知っておくべきこと

過払い金の返還請求を検討している方が知っておくべきことをまとめました。

  1. (1)信用情報への影響

    過払い金を返還請求した履歴は信用情報に掲載されません。
    すでに完済していれば、いわゆるブラックリストには載らない
    ということです。
    つまり、今後もローンを組むことができますし、クレジットカードを使い続けることができます。

    しかし、過払い金を請求するとともに債務整理を行った場合は、信用情報に掲載されることになります。その場合、しばらくの間はクレジットカードを使うことや新たな借り入れはできなくなる可能性があるでしょう。

  2. (2)家族に知られてしまう可能性

    過払い金請求によって過去に借金をしていたことが家族にバレてしまうというケースは、実のところ限られています。
    具体的には、個人で過払い金返還請求を行うことで、裁判所や貸金業者からの郵便物が自宅に届いて家族に知られてしまうケースがほとんどです。

    家族に知られないように過払い金請求をしたい方は、弁護士に依頼することを検討してください。交渉の窓口が代理人事務所になるため、自宅にそのような郵便物が届く心配はありません。

    また、連絡を取る際も家族に知られないように配慮することができるでしょう。

4、弁護士と司法書士、過払い金の相談をするならどちらがいい?

  1. (1)司法書士の場合

    過払い金に関する相談は、弁護士と司法書士のどちらも行うことができます。
    しかし、司法書士は140万円を超える事件を取り扱うことができません。訴訟や交渉だけでなく、法律相談も受け付けることができないのです。

  2. (2)弁護士の場合

    他方、弁護士であれば140万円を超えている事件でも対応できるうえ、相談から交渉、訴訟にいたるまで全面的にサポートできます。

    司法書士は本来、会社や不動産の登記を専門に取り扱う専門家であるのに対し、弁護士は交渉をはじめとした法的な手続きを幅広く取り扱っています。
    訴訟額が大きくなって弁護士に相談し直すよりは、最初から弁護士に相談したほうが、さまざまな事態に対応できて安心といえるでしょう。

    なお、弁護士費用は主に「着手金・成功報酬・実費」の3つの内訳から成り立っています。

    ①着手金
    着手金は、契約した業務に対応するために、弁護士に最初に支払う費用の一部を指します。過払い金返還請求の場合、着手金は無料で利用できる法律事務所もあります。

    ②成功報酬
    成功報酬は、弁護士が仕事を終えたときに受け取る報酬のことをいいます。相場は、返還された過払い金のうち、20%程度です。訴訟になった場合、着手金を越える交通費や手数料などが発生したときはその費用も加算して請求されます。

    ③相談の際に必要な持ち物
    過払い金を請求したくても、書類を保管していないために請求を諦めている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、書類などがなくても過払い金の返還請求は可能です。貸金業者は取引履歴を開示する義務があるので、それをもとに返還請求をすることができるのです。

    ただし、すでに完済している方や、長期にわたって取引している方は、すべての取引履歴を確認できないケースもあります。そうした場合でも、取引履歴がわかるメモや通帳などの書類があれば破棄せず保管し、相談時にお持ちいただくことをおすすめします。

5、まとめ

今回は、過払い金の返還請求の仕組みと、基本的な知識について解説しました。過払い金の返還を求めることは、借金があった過去を振り返ることでつらいと思うことがあるかもしれません。しかし、決して恥ずかしいことではありません。むしろきちんと支払ってきたからこそ発生しているものであり、返還請求は正当な権利です。

「多く支払ってしまったお金を取り戻す手続き」が無事完了すれば、手元にまとまったお金が戻ってくる可能性があります。さらには、現時点でも借金で苦しい思いをしている場合は生活も立て直せるでしょう。

弁護士と聞くと尻込みしてしまうかもしれません。
しかし、法律の専門家に依頼することで借金が資産に変わる可能性が生まれ、その後の交渉や業務もすべて弁護士があなたの代理人として対応します。面倒な手続きは一切必要ありませんので、ぜひ一度相談してみてください。

ベリーベスト法律事務所 千葉オフィスでは、過払い金請求事件の経験豊富な弁護士が随時相談をお受けしています。千葉県内で過払い金の返還請求をお考えでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています