勝手にカードが使われた! 他人や家族に使われた場合の対策を解説
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令和2年6月、千葉県の親子が他人のクレジットカードを使って買い物をしたとして、詐欺の疑いで逮捕されました。平成30年国内のクレジットカード不正利用被害の総額は、235億4000万円となっており、想像以上に多くの方がクレジットカードの不正利用に遭遇されているようです。
もしも、他人や家族内でクレジットカードを不正に利用された場合に、どのように対応すればよいのでしょうか。ベリーベスト法律事務所 千葉オフィスの弁護士がクレジットカードの不正利用の対処法を解説します。
1、勝手にカードを使われたときまずすべきこととは
まずは、勝手にカードを使われたことに気付いたらやるべきことを解説します。
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(1)本当に不正利用されているかどうかを確認する
カードの不正利用に気がついた場合は、それが不正利用なのか、そうでないのかを確認します。明細に身に覚えのない利用履歴が記載されている場合、家族カードで利用されたものか、実際の店舗名と請求店舗名が違うだけではないのかという観点で、金額や日付をチェックしましょう。
念のため家族や同居人が勝手に使っている可能性も含めて確認してください。 -
(2)カード会社に連絡
不正利用が明らかであれば、クレジットカード会社に連絡をして不正利用されている旨を伝えてカードを止めてもらいます。カードの裏面に連絡先がありますので、不正利用に気づいたらすぐに電話をしましょう。
手元にカードがなく連絡先が分からない場合は、クレジットカード利用明細書やWEB明細等で確認できます。
不正利用が生じた時、カードを取り戻しても不正利用が続くこともあります。カードを取り戻すことで解決できればいいですが、スマートフォン、パソコンからカード情報を入力し利用する方法もありますので、カードを取り戻しただけで安心せず、場合によってはカードを止めた方がよいこともあります。
2、まったく知らない相手に使われた場合の対処法
クレジットカードの不正利用が家族や同居人ではない場合は、クレジットカード会社の補償を受けられますので、以下の手続きを進めます。
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(1)警察に紛失届・被害届(盗難届)を出す
他人にクレジットカードを不正利用されたら、警察に紛失届・被害届(盗難届)を出す必要があります。
警察に紛失届・被害届(盗難届)を出すことで、クレジットカード会社の補償を受けることができるからです。カードの規約には「紛失・盗難の届け出日の60日前から損害補償の対象となります。」といった規定があることもありますので、不正利用が発覚した場合には速やかに届出をすべきでしょう。
カードが手元にあり紛失届が出せない一方、カードの不正利用と思うものの確証がなく判断がつかない場合、「被害届を受け取れない」と警察官が対応する可能性もあります。しかしながら、カード会社の補償を受けるためには、届出が必要であると伝えれば柔軟に対応してもらえるケースもありますので、不正利用と思う事情を丁寧に説明しましょう。 -
(2)クレジットカードが再発行される
クレジットカードの不正利用をカード会社に報告すると、そのカードは使用できなくなり、代わりに新しいカードが発行されます。各種引き落としにクレジットカードを利用している場合は、カード情報を更新しておきましょう。
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(3)クレジットカード会社から補償を受ける
他人にクレジットカードを不正利用された場合、条件を満たせば盗難保険の補償を受けることができます。補償を受けるためには、紛失届・被害届(盗難届)などの届出番号が必要となりますので、控えておきましょう。クレジットカード会社が所定の調査を行った後、すでに引き落とされた利用代金は払い戻しがなされます。ただし、不正利用から一定期間(例えば60日)が経過してしまうと、補償期間外との判断がなされ、紛失・盗難保険による補償を受けられなくなる可能性が高くなります。定期的にカードの利用明細をチェックして、不正利用されていないかを普段から監視しておきましょう。
クレジットカード会社が利用者からの報告を受けて、調査をして不正利用が間違いなければ利用者に返金などの補償を行います。ただし、カードを他人に貸した、暗証番号が生年月日であった、カードの保管方法に問題があったなど、利用者に落ち度がある場合は補償の対象外になる場合もありますのでご注意ください。
3、家族や同居人に使われた場合の対処法
クレジットカードを、第三者ではなく家族や同居人などに不正利用をされた場合の対処法を解説します。
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(1)いったんは自分で利用料金を支払わなければならない
家族や同居人が不正利用をした場合、盗難保険の規約上、補償を受けることはできません。過去には、裁判上家族や同居人による不正利用でも補償がなされた事例もあるかと思いますが、クレジットカード会社と裁判で争ったうえでの例外的な事例と思われますので、現実的に家族や同居人による不正利用分の補償を求めるのは困難であると考えます。
ご自身が使っていないカード利用料金を支払うのは抵抗があるかと思いますが、クレジットカード会社からの請求を無視していると未払い金が生じ、最悪の場合、裁判を起こされることもありますので、料金は必ず支払いましょう。
その他、家族による不正利用だからと支払いを拒んでいると、カードの利用料金の一括返済だけでなく解約を求められるおそれがあります。また、信用情報機関に延滞情報が掲載されてしまうと、新たなカードの契約や、住宅ローン、マイカーローンの契約にも悪影響を及ぼします場合もありますので、遅滞なく支払いましょう。 -
(2)支払金額が高額になり支払えない場合の対処法
カードの利用料金が高額で、一括での支払いが難しい場合は、分割払いも検討します。クレジットカードには分割払いやリボ払いといった毎月の支払い負担を軽減できる仕組みがありますので、通常時は使用していない方も、緊急事態であると考えて利用を検討しましょう。ただし、分割払いやリボ払いには手数料がかかり、トータルの返済金額が利用金額よりも高額になりますのでご注意ください。
分割払いにしても支払えるめどが立たない場合は、カード会社に事情を説明して支払いを待ってもらう、分割金額を少額にしてもらうなどの対応をとりましょう。
自分でカード会社と話をすることに抵抗のある方は、弁護士に依頼し、返済方法について交渉をお願いすることも考えられます。 -
(3)不正利用をした家族や同居人に利用料金の返金を求める
ご自身でクレジットカード会社に利用料金を支払うとともに、不正利用をした当事者に対して、損害賠償請求を行います。不正利用をしたのが兄弟や姉妹、子どもや配偶者の場合であっても賠償を求めることはできますので、話し合いのうえ返金を求めましょう。
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(4)支払わない場合の対処法
家族が不正利用したカードの利用料金を支払わない場合は、損害賠償請求訴訟を提起することも、理論上は可能です。ただし、相手方が無職で財産もないという場合は、裁判で勝訴して強制執行を申し立てても差し押さえができず、回収は不可能です。
相手が働いている、もしくは財産がある場合に裁判を検討しましょう。
4、弁護士に相談をした方がいいケース
家族によるクレジットカードの不正利用において、以下のようなケースは弁護士にご相談ください。
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(1)家族や同居相手がどうしても支払いに応じない
家族や同居相手が、支払いに応じず困っている場合は、早めに弁護士にご相談ください。弁護士に支払った料金の回収をご依頼いただければ、弁護士がご家族や同居相手に連絡を取り支払うように督促をします。
弁護士からの督促であれば素直に応じる方も少なくありません。弁護士による督促によっても支払わない場合は、裁判を起こすなど法的措置を検討します。 -
(2)利用料金が高額すぎて支払えない
不正利用された料金が、あまりにも高額でカード会社に支払えない、あるいは他の借金もあり返済が苦しいという場合も弁護士への相談をおすすめします。弁護士は不正利用の当事者に費用の返金を求めると同時に、カード会社への交渉も行えます。
不正利用料金と借金を合算すると、分割払いにしても返済が厳しい場合や、すでに借金の返済に苦しんでいる場合は、「債務整理」という選択肢もあります。債務整理には自己破産や個人再生といった裁判所を通じて行う手続きとは別に、「任意整理」という方法もあります。任意整理であれば、不正利用をされたカード会社だけを対象に、「返済期間の延長」や、「毎月の返済額の軽減」、「将来の利息のカット」を交渉できます。
返済が難しい場合は、無理をせずに弁護士にご相談ください。
5、まとめ
クレジットカードを不正利用されたら、まずやるべきことは、「本当に不正利用されたかどうかの確認」と、「カードの停止」です。不正利用をしたのが他人であれば、警察への通報・届出やカード会社への補償の手続きが必要です。
不正利用をしたのが、家族や同居人の場合は不正利用されたカード料金は自分で支払ったのちに、当事者に請求をします。家族等であっても損害賠償請求訴訟を起こすことはできますので、なかなか返済してくれないようなら訴訟も検討しましょう。
また、不正利用された料金の支払いが難しい場合は、弁護士に相談のうえ、債務整理も視野にいれましょう。
ベリーベスト法律事務所 千葉オフィスではカードを不正利用された方のご相談を受け付けています。返金の交渉や債務整理など、状況に応じて最適な解決方法を提案しますのでお気軽にご相談ください。
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