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30分単位で残業代が支給される職場は違法? 千葉オフィスの弁護士が解説

2019年08月09日
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30分単位で残業代が支給される職場は違法? 千葉オフィスの弁護士が解説

千葉県の教育委員会が、平成30年11月に公立学校の教員等を対象に勤務実態の調査を行いました。結果、過労死ラインを越える残業をしている職員が中学校では30.5%、高校でも25.9%と高い水準であることがわかりました。

前年度と比較すると減少しているものの、教育委員会が当初目標としていた過労死ラインゼロは達成できそうにありません。残業には、長時間労働による過労死等のリスク上昇だけでなく、残業代の未払いなど多くの問題があります。

さらに、残業代をきちんと支払っているように見えても「30分未満の残業代は切り捨て」としていれば、「隠れ残業代未払い」が発生している可能性があります。そこで、ベリーベスト法律事務所 千葉オフィスの弁護士が30分単位の残業代に関して、未払い残業代の請求についてなどを丁寧に解説します。

1、残業代が30分単位って法律違反なの?

結論から申し上げますと毎日残業代を30分単位で切り下げ、切り上げる行為は法律に違反します。残業代は毎日1分単位で計算する必要があります。

毎日の残業代について、残業時間が「20分であれば残業時間はゼロ」、「35分では30分」などの計算方法は法律違反になるのです。労働基準法にも以下のとおり明記されています。

労働基準法第37条「使用者が第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」

また、労働基準法第24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されています。

つまり、残業した時間は25%増し以上の賃金を全額支払う義務があるということです。したがって、毎日の残業時間について、30分単位だけでなく、5分単位や10分単位でも残業代を切り捨てる行為は法律違反といえるでしょう。

たとえば、長期間30分単位で残業代が計算されていた場合、1日15分切り捨てていたとしても月に5時間、1年間に60時間も残業代が未払いになっている計算です。1時間2000円で計算しても、12万円になってしまいます。

2、1ヶ月あたり30分単位であれば適法

毎日30分単位で残業代を計算することは認められていません。しかし、月単位であれば問題ありません。たとえば「1ヶ月の合計の残業代を合算して、30分未満であれば切り捨て30分以上であれば切り上げる」というパターンです。

このような計算方法であれば、問題ないといえるでしょう。ただし、毎日30分単位で切り上げや切り下げをする行為は認められていません。まずは給与明細とタイムカードなどをしっかりと照合して、正しく計算されているかどうか確認してみましょう。

給与明細の残業時間を確認し、実施の残業時間とズレがないことを確認することが重要です。

3、30分単位を変えてもらうためにあなたができること

30分単位で毎日の残業代を計算することは法律に違反します。労働者という立場としても、改善してもらわなければなりません。ここでは、30分単位の残業代制度を変えてもらう手段について解説します。

  1. (1)会社に変更を求める

    30分単位で毎日の残業代を支払うことが法律に違反することを、会社や人事担当者などが知らない可能性もあります。そこで、まずは人事等に直接「労働基準法違反だから30分単位ではなく正しく全時間認めて欲しい」と伝えてみましょう。

    意図的ではなく、知らずに30分単位での残業代計算を行っていた場合は速やかに変更してくれる可能性があります。しかし、中小企業や零細企業の場合、従業員から経営者サイドに残業代についての申し入れをすることは難しいケースが少なくありません。そこで、自分でいえなければ別の方法でアプローチすることを検討する必要があるでしょう。

  2. (2)労働局や労働基準監督署に申告する

    国の機関である労働局や労働基準監督署は、企業が労働基準法などを遵守しているかどうかを監視する機関でもあります。違法な点が見つかれば、是正勧告などの指導対象となります。まずは30分単位の残業代についても相談することもできます。国の機関であるため、相談料は無料です。

    会社がある程度大きい会社や、地元で知名度が高い場合、市民の評判が業績に直結する会社の場合は、労働基準監督署等の指導を避けたがります。是正勧告の前に、直接指導されただけで、正しい残業代の計算方法に改まる可能性もあるでしょう。

    ただし、規模が小さい会社の場合は労働基準監督署等の指導を完全に無視してしまうケースが多々あります。是正勧告を無視し続けると、書類送検され経営者が罰せられる可能性もありますが,それは一般的には悪質な事案の場合です。

    また、未払いの残業代を請求する場合も、請求を代行してくれるわけではありません。実際に請求する際は自ら交渉から始める必要があるため注意が必要です。

  3. (3)弁護士に対応を一任する

    労働局や労働基準監督署の指導に従わない会社であったり、当初から未払いの残業代を請求したいという目的があったりするときは、最初から弁護士に対応してもらうこともひとつの手段です。

    弁護士の名前で内容証明が届くだけで、未払い分について改善する会社も少なくありません。その場合は、残業代請求などの労働問題に対応した経験が豊富な弁護士を選ぶことをおすすめします。状況を見極め、できるだけ早期に解決するように対応するでしょう。

4、未払いの残業代は請求可能?

30分単位で切り捨てられた日々の残業代は、れっきとした「未払い残業代」です。したがって、会社に請求することができます。残業代を全額受け取ることは、労働者の正当な権利なので遠慮することなく請求しましょう。

ただし、現在働いていてこれからも働き続ける予定の方は、人事部や経営陣と険悪になるのは避けたいと考える方のほうが多いものです。その場合は、同僚と一緒に請求する、直属の上司に残業代について問い合わせてみる、など自分への風当たりが強くならない方法で請求することをおすすめします。

会社側との気まずい交渉を避けるため、最初から弁護士に交渉を一任してもよいでしょう。

5、残業代請求の方法と注意点

長年切り捨てられた残業代を自分で請求する方法と注意点を解説します。

  1. (1)残業時間の証拠を集める

    残業代を請求するためには、残業時間を証明する証拠を確保する必要があります。残業時間を証明する証拠とは、タイムカードやパソコンのオンオフなどの記録です。

    30分単位の残業代を切り捨てている会社の場合、すでに一部の残業代は支払われていますし、切り捨てる際には何かしらの出退勤記録を参考にしていると考えられます。したがって、証拠集めは比較的容易かもしれません。

    それでも請求する期間すべての証拠はすぐに集められないかもしれません。タイムカードの場合は、過去のものは会社が保管してあることがほとんどです。過去のタイムカードが入手できない場合は、会社にタイムカードの情報を開示するように求めましょう。

    「過去の勤務時間を確認したいから」と伝えれば多くの会社は応じてくれるはずです。タイムカードを出してもらえない場合は、手元にある分だけでもコピーしておいてください。

  2. (2)残業代の請求書を送付する

    残業時間が把握できたら、残業代の請求書を会社側に送付します。「送った」「送らない」の水掛け論にならないために、配達証明付きの内容証明郵便で送付するとよいでしょう。この時点で支払ってもらえれば問題ありませんが、支払いに応じない場合は次のステップに移る必要があります。

  3. (3)専門家や専門機関に相談する

    会社側が残業代の請求に応じない場合は、労働局や労働基準監督署、弁護士などに相談しましょう。

    ただし、労働局や労働基準監督署は違法な行為を行ってる企業の指導などが仕事なので、労働者の代わりに残業代を請求してくれるわけではありません。確実に残業代を請求したければ、残業代請求問題の解決実績が豊富な弁護士に相談した上で、交渉を一任するとよいでしょう。

  4. (4)残業代の請求時効は2年

    長期間にわたって、残業時間が切り捨てられていた場合でも、残業代の請求時効は2年と、法で定められています。つまり、2年以上前の残業代を請求することはできません。

    残業代を請求せずにためらっている間にも、どんどん過去の残業代が消滅していることになります。未払い分の残業代を請求するのであれば早く着手しましょう。

6、まとめ

日々の残業代を30分単位で計算して切り捨てるのは労働基準法に違反します。労働基準監督署などの是正勧告に従わなければ、会社側が書類送検されて懲役刑や罰金刑に処される可能性もあります。

しかし、書類送検に至るまでには時間がかかってしまうものです。早く残業代を正当な計算方法で計算してもらいたいと考えている労働者にとっては、労働基準監督署等はすぐに役にたつとは言い難い側面もあります。また、これらの公的機関は代理人として交渉してくれるわけではないので、未払いの残業代請求を依頼できるわけではありません。

残業時間切り捨て問題で悩んでいる方は、常に時効によって過去の残業代が消滅していることを理解した上で、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。ベリーベスト法律事務所 千葉オフィスの弁護士が、親身になってアドバイスを行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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