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(前編)兄弟が遺産を隠している!?遺産相続で揉めるパターンと弁護士に依頼するメリット

2018年04月11日
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(前編)兄弟が遺産を隠している!?遺産相続で揉めるパターンと弁護士に依頼するメリット

人は誰もがいつかは亡くなるものです。過去に大切な親族を亡くされ、辛い思いをしてきた方も多いと思います。また、人が亡くなると辛い別れと同時に遺産相続の問題が起きます。この遺産相続も家族がいる人であれば避けては通れないものです。

そして遺産相続は一つ間違えると仲の良い親族と激しい衝突が起きる可能性もあります。そのため、これから遺産相続の手続きが控えている方は遺産相続や遺産分割の基本、実際に起きやすいトラブルのパターンなどを事前に把握しておきましょう。今回は多くの人が抱える遺産相続の疑問について解説します。>後編はこちら

1、遺産相続手続きの流れ

遺産相続手続きの流れ

故人(以下「被相続人」といいます。)から財産を引き継ぐ上ではさまざまな手続きが必要になります。この遺産相続の手続きは非常に多岐に渡ります。また、この中には定められた期限内で手続きを行わないと不利益を被るものもあります。そこでまずは相続手続きの基本的な流れや大事なポイントをご紹介します。

  1. (1)死亡届の提出

    大切な家族(被相続人)が亡くなるとしばらくは精神的にも辛い日々を過ごすことになると思います。しかし、相続で必要になる手続きや期限のことを考えると、遺族は辛くても速やかに相続をスタートさせなければいけません。そして、被相続人が亡くなってから最初に行うのが死亡届の提出です。

    死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは、その事実を知った日から三か月以内)に、被相続人が死亡した地、被相続人の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場に提出します。正当な理由がなく提出が遅れた場合は5万円以下の過料になります。この届出が受理されて、初めて火葬や埋葬の許可が下ります。

  2. (2)遺言の有無の確認

    前述の死亡届提出の手続きまでは皆様同じですが、その後は遺言の有無や遺言の方式でそれぞれ必要となる手続きが変わってきます。
    まず、遺言がある場合についてご説明します。
    遺言の方式には、公正証書遺言、秘密証書遺言及び自筆証書遺言と3種類ありますが、一般的によく利用される方式は、公正証書遺言と自筆証書遺言です。
    被相続人が公正証書遺言を作成していた場合は、被相続人の死後速やかに遺言の内容を実行に移すことができます。

    一方、自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認手続きが必要となります。検認手続きをする前に、封がされた遺言を勝手に開けると、遺言が無効となることはありませんが、5万円以下の過料が科せられることがありますので、注意しましょう。

    遺言がない場合は、民法で決められた法定相続人全員で、まずは話し合いをして、相続財産の分割を目指すことになります。

  3. (3)相続人の確認

    民法は、相続人について、被相続人と一定の関係がある親族、具体的には、配偶者が常に相続人となり、第一順位が子とその代襲相続人、第二順位は直系尊属(父母や祖父母)、第三順位が兄弟姉妹とその代襲相続人と規定しています(後記3(1)の表をご参照ください。)。相続財産を分割する際は、相続財産を受け取ることができる法定相続人が誰であるのかをしっかりと把握しておく必要があります。

    遺産分割協議をはじめた後、法定相続人の把握に誤りがあると、それまで進んでいた遺産分割協議を一からやり直しをしなければならなくなるためです。
    被相続人の法定相続人を確認するために、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を取得する必要があります。被相続人の子が死亡し、その死亡した子の子(代襲相続人)が相続人になる場合、被相続人に子がおらず、被相続人の父母や祖父母が相続人になる場合や、被相続人の父母や祖父母も死亡し、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合などは、その人が被相続人の相続人となることを明らかにするための戸籍を全て取得する必要がありますのでご注意ください。

  4. (4)相続財産の調査

    遺産分割協議を行う前に、被相続人が遺した相続財産の範囲を調査する必要があります。被相続人の相続財産にどのようなものが含まれているのか明確にならないと、遺産分割協議を進行させることができません。

    被相続人の相続財産は、被相続人の自宅に保管されている財産関連の資料を探したり、金融機関の貸金庫を開扉したりして調査を行います。被相続人名義の預貯金通帳、出資金の証書、不動産の権利証などが相続財産の存在を裏付ける証拠となります。

    また近年はネット全盛の時代ですから、被相続人がネット銀行やネット証券で取引をしている可能性もあります。そのため、被相続人が生前使用していたパソコンやスマホのデータにもひと通り目を通しておくようにしましょう。

  5. (5)遺産分割協議の開始

    遺産分割協議について、特に方法は定められておらず、法定相続人が全員参加して話し合うことで足ります。この協議において法定相続人全員が、それぞれが取得する相続財産やその分割方法について合意ができれば、遺産分割協議が成立することになります。

    遺産分割協議が成立する際には、遺産分割作成協議書を作成するのが通例です。遺産分割協議書は必ず作成しなければいけないわけではありませんが、、被相続人の銀行口座の名義変更や不動産の相続登記などの手続きには遺産分割協議が成立していることを証する書面が必要になるため、作成しておくことを推奨します。

    遺産分割の話し合いにおいて一部の相続人が納得しなかった、または、揉めて話し合いがまとまらなかったような場合には、家庭裁判所に対して遺産分割調停の申立てを行い、調停委員を介して話し合いを進めることになります。

2、なぜ相続で相続人同士が対立することが多いのか?

なぜ相続で相続人同士が対立することが多いのか?

相続を「争族」と表現する専門家が多いように、相続では親族同士の争いが頻繁に起きます。ではなぜ同じ一族同士で揉めてしまうのでしょうか?ここでは相続で揉める主な理由を解説します。

  1. (1)相続財産の内容が不透明・不十分

    相続財産の内容がはっきりしない場合、相続人同士が対立することが多い傾向があります。被相続人が生前に相続人に対して、被相続人が保有する財産の内容や財産の裏付けとなる証拠の所在をしっかりと伝えておくと、残された遺族も相続財産の内容を把握することができます。ところが被相続人が財産の内容を詳しく知らせずに亡くなると、相続人は相続財産の内容がわからないため、遺産分割協議を進めることが難しくなります。

    また、前述のように遺産調査を行っても「父が遺した遺産は本当にそれだけなの?」「遺産を独り占めするために何か隠しているでしょ?」と疑いの目を向ける親族もいます。これにより疑いをかけられた側も不信感を持つことになるため、対立が激化する傾向があります。

  2. (2)相続人同士の考え方の違い

    相続人同士の考え方が異なるため、トラブルに発展するケースも少なくありません。
    大昔の話題を持ち出しますが、戦前はとにかく長男が偉い、長男だけを大事にするという風潮がありました。

    長男は「本家を守る」「一族を守る」と誰もが思っていた時代です。この時代であれば長男がほぼすべての遺産を譲り受けても大きな問題はなかったかもしれません。
    ところが価値観が大きく変わった現代では、このような考え方を貫き通すのは非常に難しくなっています。

    今の時代は皆平等の均分相続が基本です。この昔ながらの考え方を持つ長男と他の兄弟が持っている考え方の違いが遺産相続の揉め事に発展していきます。どちらかが折れて考え方を改めることができれば揉めることもありませんが、それが難しいため、最終的には遺産分割調停などの裁判所における手続きを利用することになります。

3、遺産相続で揉めないために事前にできること

遺産相続で揉めないために事前にできること

「お金が絡むと人格が変わる」という言葉もありますが、どんなに仲の良かった親族でも相続をきっかけに良好な関係に亀裂が入ることは少なくありません。また、多くの人は基本的に相続で揉めたくないという気持ちも持っています。そこでここでは遺産相続で揉める前にできる対策ご紹介したいと思います。

  1. (1)相続人同士でしっかりと話し合いの場を設ける

    一にも二にもまずは相続人同士で遺産分割の話し合いをすることが大切です。遺言がある場合は被相続人の意思に従って遺産を分配することができますが、そうでない場合は法定相続人全員で遺産分割について話し合いをする必要があります。

    この話し合いにおいて「私は〇〇を引き継ぎたい」「僕は〇〇だけでいい」とそれぞれの意見や考え方を述べ、全員が納得すれば円満に遺産分割を行うことができるでしょう。

    仮にこの話し合いの場で意見の食い違いや異なる考え方が出た場合には前述のように民法で決められた法定相続分に沿って遺産を分割する方法もあります。下記は民法で定められた法定相続人の範囲および順位、法定相続分の計算方法です。


    【法定相続人の範囲および順位】
    順位 内容
    配偶者 被相続人の妻または夫は必ず相続人になる(民法第890条)
    第一順位・直系卑属 基本的には子供、子供が死亡していれば孫が相続人となる(民法第887条)
    第二順位・直系尊属 子供がいない場合は被相続人の父母、祖父母が相続人となる(民法第889条1項1号)
    第三順位・兄弟姉妹 第一順位、第二順位がいない場合は被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡していればその子)が相続人となる(民法第889条1項2号、2項)
    (⇐ 横にスライドします ⇒)

    【法定相続分】
    相続人との組み合わせ 法定相続分
    配偶者のみ 全て
    配偶者と子供 配偶者1/2、子供1/2、子供が複数人いる場合は1/2を頭割り
    配偶者と直系尊属 配偶者2/3、直系尊属1/3、直系尊属が複数人いる場合は1/3を頭割り
    配偶者と兄弟姉妹 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4、兄弟姉妹が複数人いる場合は1/4を頭割り
    異父兄弟および異母兄弟は全血兄弟の1/2
    (⇐ 横にスライドします ⇒)

    以上が法定相続人の範囲および順位、法定相続分の割合となります。ちなみに配偶者のみ、子供のみ、兄弟のみという場合は遺産の全てを受け取ることができます(複数人いる場合は頭割り)。
    遺産相続で揉めるパターンで多いのは、相続分に差がある場合です。1人だけ引き継ぐ資産が多いと他の相続人が納得できないことがあります。「揉めそうだな」と感じたら法律で定められた法定相続分に従って遺産を分け合うようにしましょう。

    極端な話ですが、1人が9割の遺産を相続しても周囲が納得すれば問題はありません。そのため、相続は被相続人の遺言に書かれた内容を優先する、相続人同士の協議で話を進めるといった方法を基本とし、相続人間の話し合いがまとまらなかった場合には法定相続分に従って分割する方法がよいのではないでしょうか。

  2. (2)被相続人が元気なうちに遺言の作成および話し合いをしておく

    遺産相続で揉めないためにはできるだけ被相続人に遺言を作成しておいてもらうのがおすすめです。というのも財産内容を最も把握している被相続人が亡くなってから話し合いを進めると前述のように相続人同士で疑いの目を向けたり、不信感を持ちやすいためです。

    しかし、被相続人が元気なうちにある程度の話し合いを行っておけば、トラブルが起きる確率を下げることができます。生前に被相続人から法定相続人が被相続人の財産の内容を聞いておくことによって、特定の相続人に遺産隠しの疑いがかけられることはなくなります。

    また、場合によっては遺言を生前に確認しておくのもよいでしょう。遺産相続は基本的に被相続人の意思である遺言に書かれている内容を尊重する必要があります。しかし、中には相続人全員が被相続人の遺言の内容に納得できないこともあるでしょう。

    そのような時は法定相続人同士で行う遺産分割協議で相続分を変更することもできます。ただし、被相続人の意思を裏切りたくないという気持ちが強い人もいます。そのような場合は生前に被相続人に対して遺産分割についてある程度の希望を伝えたり、被相続人と法定相続人全員が集まって話し合いの場を設けたりしてはいかがでしょうか。

    ちなみに遺言書関連のトラブルでよく起きるのが「遺産は〇〇のみに相続させる」といった、他の相続人が到底納得できないような相続分の指定がなされている場合です。このような場合、被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人には、被相続人の相続財産の一定割合について、「遺留分」として留保されています。遺言書の内容があまりに偏っている場合は、遺留分の減殺を請求することも検討しておきましょう。
    なお、遺留分の請求には時効があります。相続が開始したことを知ったとき及び遺留分の減殺をすべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年、または相続開始から10年が経過しますと、時効により請求できなくなりますのでご注意ください。>後編はこちら

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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